リフォームの豆知識
2018.06.11
リフォームする前に知っておくべき建材アレルギーとその対策
住宅を新築し入居してから体調を崩しやすくなったとか、自宅のリフォームをした後からなぜか体調が悪くなったという方がいる、そんな話を耳にされたことがある読者の皆さんもいらっしゃるのではないでしょうか。実はこうした状態、症状は建材アレルギーによって発症している可能性があります。今回は、リフォームをする前に知っておくべき建材アレルギー対策についてご紹介します。
建材アレルギーとは?
建材アレルギーとは建物を建てる際に使った建材によるアレルギーのことを指しますが、大きなくくりではシックハウス症候群とも呼ばれます。シックハウス症候群の原因はいろいろなことが挙げられますが、代表的な原因はダニやカビなどの生物のほかホルムアルデヒドといった化学物質が原因の場合もあります。ホルムアルデヒドは建築工事に用いるさまざまな建材に含まれています。新調した家具やカーテンだけでなく、フローリングに使用しているワックスが原因ということもあります。この化学物質が原因で頭痛、めまい、のどの痛みなどといった症状が発生します。現在ではシックハウス対策のための建材も普及していますので、リフォームをする際には建材選びにも注目してみましょう。
どのような建材を選ぶとよい?
建材アレルギー(シックハウス症候群)対策のために選ぶとよいとされている建材をいくつかみていきましょう。
F☆☆☆☆(フォースター)
フォースターは四つ星建材とも呼ばれています。2003年の建築基準法改正によってシックハウス症候群対策が義務化され、ホルムアルデヒドをあまり含まない建材の開発が進められました。フローリングや壁紙に使う糊なども低ホルムアルデヒドの品がたくさんありアレルギー対策に有効です。
自然素材
天然由来の素材はシックハウス症候群対策に効果的と言われています。現在は化学物質をあまり使っていない自然素材の建材もたくさんあります。そうした建材を使うことを売りにしているハウスメーカーもあります。自然素材を使った家なら小さなお子さんやペットのいる家庭でも安心というメリットがありますが、どうしても費用は高くなりがちです。
無垢材
天然の無垢材もシックハウス症候群対策には効果的です。一般的なフローリング剤にはホルムアルデヒドが使用されているケースが多いですし、それがシックハウスの原因ともなります。無垢材は糊などを使わずに天然の木をそのまま削り出してつくる建材ですから、シックハウスの原因を持ち込みません。ただ、無垢材もやはり既製のフローリング材などに比べると高価になりがちです。
調湿建材
最近では湿度を調整してくれるような建材もよく使われています。調湿建材を用いることでカビの発生を抑制することが可能となります。シックハウス症候群の原因にはこのカビの発生も理由として挙げられますが、カビの発生を防ぐことによって結果的に体調を崩すような事態を回避できます。
建材アレルギー対策に役立つ住宅性能と設備
結露を防ぐ断熱性能
断熱性の高い造りにすれば結露を防ぐことが可能となります。結露ができるとアレルギーの原因となるカビやダニも増えやすくなってしまいますから、断熱性能を高めることは有効なアレルギー対策となります。
ルームドライヤー
ルームドライヤーは湿気を外に逃がしてくれる設備で、湿気を防ぐことでシックハウスの元となるカビなどの発生を防いでくれます。
換気扇
2003年の建築基準法の改正では、新築住宅の場合、換気設備の設置(24時間換気システム)も義務化されました。天然素材や無垢材を使ったとしても、家具などからホルムアルデヒドが発生することもありますので、換気を十分にすることもシックハウス対策には必要です。
2003年以前の一般的住宅だと台所やトイレ、お風呂場にしか換気扇がついていないことが多く、また24時間換気扇を付けておく習慣も無いことから、換気量不足が懸念されます。24時間換気をしっかり行うことで室内の空気を入れ替えることができますから、換気を十分にすることでシックハウス症候群の症状を回避することが可能となります。
高気密性能
実は住宅をしっかりと換気するためには、気密性能が重要になります。気密性が低いと十分な量の排気が出来ずに、本来予定していた換気量が確保できないのです。住宅の気密性能を高め、しっかりと建物内の空気を入れ替えるようにすることが、シックハウス対策には有用です。
このようにシックハウスやアレルギー症状は、住宅に使われている建材や、住宅の性能によって引き起こされるものであるが、きちんと理解をした上で対策を立てれば心配することはありません。リフォームを計画する上での対策としては、天然素材や無垢材の使用、高気密高断熱性、換気の3つを整えられるかの視点で進めていけば、シックハウスやアレルギー症状に悩まされるリスクは減少します。最近の換気システムは、空気清浄機能も兼ね備えたものもありますので、リフォーム会社に相談するときは尋ねてみるのも良いでしょう。